MEMSジャイロセンサ・テクノロジー

インベンセンスのテクノロジーは4つの独自性から構成されています。第1に特許取得済みのナシリ・ファブリケーション・プロセス、第2に先進的なMEMSジャイロセンサ設計、センサ信号の演算処理を行い、第3に弊社独自のモーションプロセシング・プラットフォームに必須となるセンサ・フュージョンを実現するミクスト・シグナル回路、そして第4にモーションプロセシングライブラリとモーションアプリケーション・ソフトウェア・ソリューションです。弊社独自のナシリ・ファブリケーション・プロセスはMEMSに標準的な電子回路半導体(CMOS)をウェハごと接合します。ここから弊社のソリューションを差別化する高い性能と信頼性、コスト・メリットが生まれます。弊社のテクノロジーは1軸アナログ出力から完全に統合された3軸もしくは6軸のモーションプロセシング・ソリューションまで、さまざまなレベルの集積度が求められるコンスーマ・エレクトロニクス製品に対応したデバイスを提供します。

特許取得済みのナシリ・ファブリケーション・プロセスによる高集積化と低コストのソリューション

弊社のモーションプロセシング・ソリューションの基盤は、特許取得済みのナシリ・ファブリケーション・プロセスにあります。これは、MEMSをCMOSの上に接合し、小型で低価格の標準パッケージに収めるものです(CMOS-MEMSとも呼ばれています)。MEMSウェハを業界標準のCMOSウェハに接合することにより、MEMS製造の多くの工程を省くことができ、またウェハ状態で検査もできます。そして、チップ状態でのパッケージングが可能となり、結果的にパッケージングと出荷検査、いわゆるバックエンドのコストを削減し、全体の歩留まり向上に寄与します。CMOS-MEMSプロセスに加え、弊社は自社モーション・センサ製品向けに低コストで大量生産を可能にする独自の較正(キャリブレーション)システムを開発しました。これにより、バックエンド・コストのさらなる削減が見込まれます。弊社は、低コストMEMSモーションプロセシング・ソリューションの製造においてテクノロジー的な革新を切り開いてきたと自負しています。MEMSベースのモーション・センサ設計と方法論を基にした独自のプロセス、ミクスト・シグナルICの集積化テクノロジー、モーションプロセシングライブラリ、そしてモーションアプリケーション・ソフトウェア、これらを統合することにより、インベンセンスは、サイズ、性能、価格、信頼性、そして集積度、いずれにおいても業界最先端となるモーションプロセシング・ソリューションを提供します。

生産効率、フレキシビリティ、そして拡張性

ほとんどのMEMSデバイスは専用工場で多くの工程や、複雑な基板、そしてCMOSの製造プロセスと互換性のないMEMS専用の製造プロセスを経て生産されています。MEMSにCMOSを接合するナシリ・ファブリケーションにより、弊社は特殊な工場を必要としないファブレス・モデルを採用することができます。弊社のファブレス・モデルでは費用効果の高い大量生産が可能です。そして、お客様の需要に合わせてフレキシブルに対応することができます。加えて、ウェハ状態で検査ができるので、製造委託先と密接な協力関係を築くことができ、製造プロセスの改善改良、1軸あたりの価格低下、デバイスの性能向上を計ることができます。

複合センサ製品への拡張性をもつモーションプロセシング・プラットフォーム

弊社の現在のモーションプロセシング・ソリューションは3軸ジャイロセンサをもち、外付けの3軸加速度センサの入力を受けることでモーションを完全な6軸で検出ができます。弊社のナシリ・ファブリケーション・プロセスは、例えば、ジャイロセンサと加速度センサのように複数のモーション・センサを内蔵することもできるため、今後も性能や信頼性の向上、サイズの小型化と低コスト化が見込まれます。弊社のモーションプロセシング・プラットフォームはソフトウェアアプリケーションと連動することもできます。そのソフトウェアは弊社独自のモーションプロセシングライブラリによりインタフェースを制御するもので、これによりお客様は製品の迅速な市場投入(time-to-market)が可能になります。複数のセンサをワン・パッケージ化することができる結果として、センサを個別に配したソリューションで必要とされるような旧来の較正(キャリブレーション)を弊社の製品は必要としません。また、モーションの演算処理のような重い負荷をホストプロセサから弊社のチップに転嫁することができます。こうして弊社製品を通じて、コンスーマ市場の製品、アプリケーション、そしてサービスにまったく新しい機能が創造されていくと信じています。

高い性能と信頼性

コンスーマ製品はつねに過酷な環境にさらされるため、性能と信頼性の向上が継続的に求められます。コンスーマ市場のMEMSセンサに求められる機能の一つに、変化する回転速度とさまざまな環境の下であらゆる動きを捉える能力、ということが挙げられます。とくにジャイロセンサの場合、回転という動きを測定する役割をもつため、製品の寿命にわたり、この機能は重要です。ナシリ・ファブリケーションはMEMSをCMOSにウェハ状態で接合するので、信頼性の高い密閉空間をMEMSセンサ内に作ることができます。真空状態を作り出すために微量のガスを除去する物質を注入するゲッタリングは必要としません。密閉封止は、一般的なコンスーマ製品の寿命のあいだ厳しい環境下でも信頼性の高い動作を保たせます。弊社のMEMSジャイロセンサの製造には厚いバルク・シリコンが使われています。これは音や振動といった環境の変化からの干渉を低減し、高い性能と精度を維持します。ポリシリコンのMEMS構造はバルク・シリコンよりも薄いため、デバイスは、音、音楽、振動、あるいは電話の呼び出し音など、外部の雑音による干渉にさらされます。結論として、弊社のソリューションは環境的な要素に対し非常に耐性の高いモーション・ベースのユーザ・インタフェースを構築することが可能であると言うことができます。

コンスーマ・モーション・プロセシングのリーダー