マイクロプロセサの開発がパーソナルコンピュータとそのプラットフォーム上で動く多数のアプリケーションを生み出したように、また、グラフィックプロセサが本物そのままのような高画質のおかげで無数のビデオゲームや専門的なアプリケーションを世に送り出したように、統合されたモーションプロセシング・プラットフォームはモーションセンサの潜在能力をフルに引き出し、コンスーマ・エレクトロニクスの世界でモーション・ベースのアプリケーションをユビキタスなものにすることができると弊社は信じています。
消費者はモーションセンシングという機能にエレクトロニクスの世界で出会いました。任天堂社のWiiモーションプラスやアップル社のiPhone、iPod touch、そしてiPadなどがその先鞭をつけました。そのため、こうした機器におけるより先進的なモーション・ベースのユーザ・インタフェースに対する願望や期待は今や急速に増しています。加えて、多くのアプリケーション・デベロッパがモーションセンシング機能を利用した製品を次々と市場へ投入しています。例えば、グーグルが開発しているアンドロイドのようなOS(オペレーティング・システム)もモーション・ベースのインタフェースを導入しようとしています。
今日、市場には多くのコンスーマ・エレクトロニクス機器があります。据置ビデオゲーム機のコントローラ、ポータブルゲーム機、デジタルテレビやセットトップボックスのリモコン、携帯電話やタブレットPC、デジタルカメラやビデオカメラ、リモコンのおもちゃやポータブル・ナビゲーション・デバイスなど、いずれも基本的なモーションセンシング機能を備えています。私たちは、以下にあげるようなコンスーマ・エレクトロニクス製品がモーションプロセシングを採用する有力な分野になると考えています。


ビデオゲーム。据置型あるいは携帯型のビデオゲーム機に対してモーションプロセシングは身体や手の動きを正確にとらえることによってイマーシブ(没入的)で、本当に体験しているようなゲーム体験をもたらします。これは、従来のボタンやジョイスティックによるインタフェースに比べて格段に直観的なものです。任天堂社のWiiモーションプラスの成功や最近発表された同じく任天堂社の3DSに期待されている潜在的なマーケットが、ビデオゲームの分野にモーションプロセシングが広がる余地が大きくあることを示唆しています。市場調査会社のIDCによれば、据置型と携帯型のゲーム機市場は2013年に8,900万台になると予想されています。据置型ゲーム機にはたいてい複数のコントローラが使用されますが、ここにモーションプロセサが搭載される可能性があります。 [さらに詳しく]
スマートフォンやタブレットPCのような現在の携帯電話やタブレット・デバイスはベーシックなモーションセンシング機能を採用して傾き検知や画面のタテヨコ検知、そして簡単なゲーム機能をもっています。モーションプロセシングテクノロジーを採用した携帯電話やタブレットPCであれば、ウェブ、メディア、メニュー・ナビゲーションにおいてユーザ体験を広げていくことができます。さらに、モーションプロセシングテクノロジーは新しい機能ももたらします。そのなかにはジェスチャーや文字認識によりよく使う機能を呼び出すショートカットのほか、より反応のよいモーション・ベースのゲームや静止画、動画の手ぶれ補正や高度な歩行者ナビゲーション、ジェスチャーによる認証機能などがあります。つい最近発表されたアップル社のiPhone4にジャイロセンサ単体の追加により先進的なモーションセンシング機能が盛り込まれたことで、今後、携帯機器の市場ではモーションセンシングテクノロジーの採用がさらに広がっていくと期待されています。市場調査会社のIDCによれば、2013年には世界全体の出荷数でみると、スマートフォンはおよそ4億2,000万台、メディア・タブレットはおよそ3,700万台、そしてタブレットPC市場は200万台、総計では4億5,900万台に上ると予測されています。加えて、アイサプライ(iSuppli)ではスマートフォンやその他の携帯機器に搭載されるジャイロセンサの数量は2010年で1,400万個、2013年には1億4,800万個になると予想しています。 [さらに詳しく]


デジタルテレビとセットトップボックスのリモコン。デジタルテレビ(DTV)、セットトップボックス、そしてブルーレイ機器は、インタラクティブなメニュー画面やアプリケーション、インテーネット・ブラウジング、ビデオ・オン・デマンド(VOD)のサービスや個人のメディア・コンテンツの閲覧などを通じてますます双方向なものになっています。そこではデスクを必要としないようなコンピュータマウスの機能、例えば、リビングでソファに座ったままで使えるユーザ・インタフェース・デバイスが求められます。メニューやウェブのナビゲーションにモーション・ベースの手法を採用すると、ユーザはビデオゲームのコントローラと同じように画面上のメニューや手の動きを使って操作ができるようになります。さらに、モーションを利用したリモコンであれば、ジェスチャーによるショートカットやゲームをシステムに組み込むなど、新たな機能を追加することもできます。アイサプライによれば、デジタルテレビ、DVD、セットトップボックスの市場は2013年には5億3,600万台に成長すると期待されています。また、アイサプライでは、デジタルテレビとセットトップボックスのリモコンに搭載されるジャイロセンサは2010年の200万個程度から2013年には2,000万個に増えると予測しています。 [さらに詳しく]
現在すでに多くのデジタルカメラやビデオカメラが基本的なモーションセンサを搭載し、手ぶれによる画質の低下を補正し、画像を安定化させる「手ぶれ補正」機能に使用しています。さらに高度な画質安定機能に加えて、モーションプロセシングテクノロジーにより、デジタルカメラやビデオカメラのメーカは先進的なモーション・ベースのユーザ・インタフェースを搭載することで他社と差別化を図ることができます。アイサプライによれば、デジタルカメラとビデオカメラの市場は2013年に1億4,500万台に成長すると予測されています。アイサプライではさらに、デジタルカメラに搭載されるジャイロセンサは2010年の4,700万個から2013年には8,900万個に増えると予測しています。 [さらに詳しく]

そのほかの市場。消費者が日々使う製品にモーションプロセシングが使われる可能性はまだあります。例えば、リモコンのおもちゃ、歩行者用ナビゲーション・システム、ヘルスケア機器、スポーツやフィットネス向けの機器、そして産業用工具などの製造業者は、モーションプロセシングテクノロジーをすでに採用しているか、あるいは今後採用する可能性があります。モーションプロセシング・ソリューションはこれらの製品の性能、知能、安全性、そして機能性を飛躍的に向上させます。例えば、モーションプロセサを組み込んだゴルフクラブとランニングシューズであれば、腕前を分析したり、トレーニングに使ったりすることができます。